ネットワークを勉強する上では避けては通れないハードウェアの知識として、Switchについて解説します。
ネットワークの全体のまとめが概要をつかみやすいので、まずはそちらを読むことをお勧めします。
Switchの種類
Switch(スイッチ)とはネットワーク機器の一種で、パケットを転送する役割をもつものです。
ネットワークの階層によってL2スイッチ、L3スイッチなどと区分けされ、その中でも以下のような種別がある。
- Intelligent Managed Switching hub : VLANの設定ができる
- UnManaged Switching hub : LANは一つしか設定できない
アンマネージドスイッチは家庭にもあるようないわゆるハブのことで、接続すると同一ネットワークとみなされる。
一方Intteligent Managed Switching hub の方は、データセンターにあるようなスイッチのことで、コマンド等を用いて高度な設定が行える。
有名なのはCisco のCatalystシリーズで、IOSというOSが内蔵されておりコマンドも世界標準のものとなっている。他のメーカーもこのCatalystのコマンドに互換性を持たせているものが多い。
Intelligent Managed Switching hubの設定について
設定には二種類あって、
- ランニングコンフィグ running-config (RAMの設定値が入っているもの 起動中のみ有効)
- スタートアップコンフィグ startup-config(起動時の設定 running-configをstartup-configにコピー)
が存在する。
ランニングコンフィグが実際に起動中に参照している設定で、それをスタートアップコンフィグにコピーし、次回起動時に読み込むことで設定をセーブする。
つまり初期化はスタートアップコンフィグを消せば良い。
チーミングについて
ネットワークの世界では、イーサネットポートを複数まとめて、一つのポートがだめになった場合でも通信を継続できるように冗長化させるのが一般的。
Cisco CatalystではLACP(ling Aggregation control protocol)をつかってポートを束ねる。
このポートを束ねることを各メーカーで色々な呼びかたがある。Ciscoはイーサチャネル。Linuxではbonding、Windowsではチーミング、VMwareでもチーミング となる。
ネットワーク機器ではCisco以外のスイッチはポートチャネルと呼ぶ。(基本はCatalyst互換なので機能はほぼ同じ)
スイッチの接続方法
上記のリンクアグリゲーションの手法は、同一スイッチ上ではなく2つ以上のスイッチを接続して使うことで、機器自体の冗長化になる。(通常はそうする)
機器同士のつなぎ方には2種類あって、
- Cascade : 物理的に2つを連結する。スイッチ毎に設定を作らなければならない。
- Stacking : stacking port という専用のポートで接続する。これにより一つの機器で複数の設定を共有することが出来る。
LACPのモード
LACPにはモードがあり、それぞれ場合によって使い分ける必要がある。
- Access vlan : ポートの一つをゲートウェイに紐づける
- Trunk vlan : ポートを複数のゲートウェイに紐づける
アクセスポートだと1つのポートは一つのVLANにだけ所属するので、ポート毎にネットワークが分かれる形になる。
一方トランクポートでは、一つのポートが複数のVLANに所属させて通信する。
通信の際にはフレームにタグをつけてVLANを区別するため、トランクモードのVLANのことをタグ付きVLANと呼ぶこともある。
複数VLANがあるとは例えば、ESXiなどのハイパーバイザーで仮想スイッチにポートを割り当てるときに使用する。
ESXi上のVLANをポートチャネル毎に複数受けることで、トランクモードのスイッチと通信を行う。
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